ピジョン株式会社 (7956) が高配当株投資対象として適格かレビューします。
ピジョン株式会社は 3 つの必須条件を満たしていないので、私の基準では高配当株投資には適格でないと判断しました。そのため、購入はしないです。
なお、ピジョンの事業自体は社会的に価値のあることで、あくまで 2025年1月現在の高配当株としての適正のみ分析している点はご理解ください。
企業分析の方針は十人十色ですが、私の方針については以下の記事でまとめています。株式投資が本業でない社会人でも現実的な時間で分析する方法なので、本記事と併せてご拝読ください。
なお、この記事は参考程度にしていただき、投資は自己責任でお願いします。
私も日々勉強していますが分析方針が万全とは限りません。より良い分析アイディアなどありましたら、X (旧 Twitter) で議論できますと幸いです。
※ 本記事は企業分析ツールの画像を多用しており、可能な限り大画面での閲覧をお勧めします。
会社概要
ピジョン株式会社は1957年(昭和32年)8月創業。育児・マタニティ・女性ケア・ホームヘルスケア・介護用品等の製造、販売および輸出入、ならびに保育事業を営んでいます (詳細はピジョン株式会社会社概要を参照)。
下記のような明確な存在意義を中心に事業運営をしています。
ピジョングループは、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を存在意義として事業を展開しております。
Pigeon DNA・Pigeon Way(企業理念)
個人の感想
高配当株投資対象としては現時点では適格ではないものの、社会的にとても重要な事業を行なっている会社だと感じました。将来子供ができた時にはピジョンの製品を購入して応援したいです。
3 つの必須条件
配当金および BPS (1株あたり純資産) は増加傾向も、EPS (1株あたり利益) が減少傾向のため必須条件を満たせず。詳細調査はせずにしばらく様子見とします。
配当金が上昇傾向か
2009年以降は増配もしくは維持をしており良い傾向です。
2019年のみ 138円と一時的に上昇しているように見えますが、これはピジョンが 2019年から決算月を変更した影響をツール (TradingView) が対応できていない結果です。
実際には 53円 (2017年1月期) -> 66円 (2018年1月期) -> 68円 (2019年1月期) -> 70円 (2019年12月期) となっており、ツール上は 2019年1月期と2019年12月期分が合算された 138円と表示されています。
詳細は 2019年12月期決算説明会資料の 20 ページと、配当ページをご参照ください。
利益が上昇傾向か
1株あたり利益 (EPS) は長期的には下降傾向。配当金の源泉は利益 (正確には利益剰余金) なので、それが下降傾向なのは高配当株投資用の株としては赤信号だと判断。
利益減少に伴い配当性向が 163% とかなり無理をしているので、将来の減配リスクが高いです。
なお、2019年 – 2020年の間のデータが表示されないのは決算月変更にツール (TradingView) が対応しきれていないのが原因なので無視してください。
資産が上昇傾向か
1株あたり資産 (BPS) は長期的には上昇傾向で過去最高の 648円/株。
6 つの望ましい条件
3 つの必須条件を満たしておらず、高配当株投資用の株としては赤信号です。そのため、時間のかかる詳細調査 (IR 資料を閲覧して6つの望ましい条件を確認)はスキップします。
2 つの買う条件 (トリガー条件)
同様の理由でこの項目もスキップします。
競合他社分析
同様の理由でこの項目もスキップします。
今後への期待
1株あたり利益を向上させる施策を実施いただきたいです。具体的には純利益の増加。自社株買いでも増えますが、本質ではないと思うので。
ただ、赤ちゃんのためという社会にとって重要な事業をされているので、個人的には強く利益優先を提言したいとは思えないです。
なお、営業キャッシュフローは 140億円、営業利益率は 11.36% 、かつ、財務健全で手堅く経営できているので来年改めて確認したい銘柄だと思いました。
まとめ
ピジョン株式会社は 3 つの必須条件を満たしていないので、私の基準では高配当株投資には適格でないと判断しました。そのため、購入はしないです。
なお、ピジョンの事業自体は社会的に価値のあることで、あくまで高配当株としての適正のみ分析している点はご理解ください。
参考書籍
高配当株投資について更に知識を深めたいときには、以下の参考書籍を読んでみてください。
1つ目はこちら。高配当株投資を始めるきっかけとなった本です。
ド素人の頃から初めて毎月18.5 万円 (222万円/年) の配当金を得るまでの失敗談・試行錯誤や、高配当株の分析方法、永久に保有したい銘柄が分かる良い本です。
同じ筆者の2つ目の書籍です。1冊目よりも内容が濃く深いです。
そのため、1冊目を読んだ後に2冊目を読んだほうがスンナリ入ってくると思います。
上記2書籍を読み、自分で高配当株分析をする際に業界内の立ち位置や売上などを比較する際に便利です。