UBE 株式会社 (4208) が高配当株投資対象として適格かレビューします。
UBE 株式会社は 3 つの必須条件のうち長期的な EPS (1株あたり利益) 上昇を満たしていないので、私の基準では高配当株投資には適格でないと判断しました。
なお、UBE の事業自体には社会的に価値があり、あくまで 2025年1月現在の高配当株としての適正のみ分析している点はご理解ください。
企業分析の方針は十人十色ですが、私の方針については以下の記事でまとめています。株式投資が本業でない社会人でも現実的な時間で分析する方法なので、本記事と併せてご拝読ください。
なお、この記事は参考程度にしていただき、投資は自己責任でお願いします。
私も日々勉強していますが分析方針が万全とは限りません。より良い分析アイディアなどありましたら、X (旧 Twitter) で議論できますと幸いです。
※ 本記事は企業分析ツールの画像を多用しており、可能な限り大画面での閲覧をお勧めします。
会社概要
UBE 株式会社は 1897年 (明治30年) に山口県宇部市で創業した会社です。
元々は地元の人々が出資して作った匿名組合組織が原点で、「いずれは掘り尽くしてしまう有限の石炭を、工業の無限の価値に展開し、地域に永く繁栄をもたらそう」という素敵な理念のもと創業・発展してきたそうです。
「共存同栄」
UBE 株式会社 理念・方針ページの創業の精神より引用
「有限の鉱業から無限の工業へ」
現在は機械事業、セメント事業、化学事業を世界中の拠点で運営しています。
個人の感想
- 地域の人々と共存し一緒に栄えていくというのは素敵な発想で、見習いたいものです。
3 つの必須条
上から1株あたり配当金、EPS (1株あたり利益)、BPS (1株あたり純資産)。
配当金とBPSは右肩上がりで成長するも、EPS がマイナスになったり長期的な成長が見えないので必須条件を満たせず。詳細調査はせずにしばらく様子見とします。

配当金が上昇傾向か
配当金は 2011年以降は維持か増配を継続しており、2024年には過去最高の105円。
利益が上昇傾向か
1株あたり利益 (EPS) はマイナスになったり長期的に成長していない。配当金の源泉は利益(正確には利益余剰金)なので、それがマイナスになる・成長しないのは赤信号だと判断。
利益だけではなく 2022年から売り上げも 6,000億円台から4000億円台に下がっていたり、配当性向も52.65% と高めと他にも不安要素がある。
資産が上昇傾向か
1株あたり資産 (BPS) は長期的に増加傾向で 2024年は過去最高の 4210円。
6 つの望ましい条件
3 つの必須条件を満たしておらず、高配当株投資用の株としては赤信号です。そのため、時間のかかる詳細調査 (IR 資料を閲覧して6つの望ましい条件を確認)はスキップします。
2 つの買う条件 (トリガー条件)
同様の理由でこの項目もスキップします。
競合他社分析
同様の理由でこの項目もスキップします。
今後への期待
売り上げ、および、利益が長期的に成長する道筋を作って欲しいです。また、営業利益率が 4.8% と低めなので利益率を高める施策も企画いただけると良いなと思いました。
3 年後 (2028年) ごろに改めて様子見をしてみたいです。
まとめ
UBE 株式会社は 3 つの必須条件のうち長期的な EPS (1株あたり利益) 上昇を満たしていないので、私の基準では高配当株投資には適格でないと判断しました。
まとめ記事
本サイトには高配当株投資のメリットと分析方法を解説した3つの記事があります。それらをまとめた記事があるので、全体像を把握しつつ個別記事に飛びたいときに便利です。
参考書籍
高配当株投資について更に知識を深めたいときには、以下の参考書籍を読んでみてください。
1つ目はこちら。高配当株投資を始めるきっかけとなった本です。
ド素人の頃から初めて毎月18.5 万円 (222万円/年) の配当金を得るまでの失敗談・試行錯誤や、高配当株の分析方法、永久に保有したい銘柄が分かる良い本です。
同じ筆者の2つ目の書籍です。1冊目よりも内容が濃く深いです。
そのため、1冊目を読んだ後に2冊目を読んだほうがスンナリ入ってくると思います。
上記2書籍を読み、自分で高配当株分析をする際に業界内の立ち位置や売上などを比較する際に便利です。