倉敷美観地区の中心に佇む老舗宿「旅館くらしき」。
今回は、その中でも“倉敷川にかかる中橋”を望める特別な客室「ゆの間」に宿泊しました。
築170年以上の歴史ある建物でありながら、清潔感ある水まわりや高野槙の内風呂など、快適さにも一切妥協なし。
季節の懐石料理や離れ湯も含め、五感を満たす滞在となりました。
この記事では、実際に宿泊して感じた「旅館くらしきの魅力」を、美しい写真とともにお届けします。宿泊を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
旅館くらしきの基本情報|美観地区のど真ん中にある老舗宿
旅館くらしきは、岡山県・倉敷美観地区のど真ん中に佇む高級旅館です。
歴史ある町並みに“暮らすように泊まる”という、他にはない体験ができるのが大きな魅力。
創業は1957年。築300年以上の蔵をはじめとした歴史的建造物を活かしつつ、リノベーションによって快適な滞在環境が整えられています。
アクセスはJR倉敷駅から徒歩約16分、最寄りの高速IC(早島IC)からは車で約20分。
駐車場も完備されており、車での訪問も安心です。
チェックインは15時、チェックアウトはゆったり11時と、滞在中の時間にも余裕があります。
以下の予約サイトから、空室状況・プランを確認できます:
実際に泊まって感じた、旅館くらしきの魅力
美観地区に“暮らすように泊まる”特別感
旅館くらしきの最大の魅力のひとつは、美観地区のど真ん中という立地。宿を一歩出れば、江戸時代の面影を残す白壁の蔵や町家が並び、時を超えた空間が広がります。

さらに明治以降に建てられた洋風建築がその中に溶け込み、和と洋が静かに共存する景観は、他にはない倉敷らしさを感じさせてくれます。
部屋の窓から見えるのは、倉敷川にかかる中橋。朝は通学中の学生、昼は賑わう観光客、夜は静けさに包まれた水面に街灯が反射する幻想的な景色。

時の流れとともに変化していく街並みを、特等席からゆったりと眺められるのは、ここに宿泊する人だけの特権です。
歴史と快適さが共存する、美しい空間
旅館くらしきの館内は、「古き良き」と「今の快適さ」が見事に調和した空間です。
築170年以上の元砂糖問屋の建物を丁寧にリノベーションしており、宿のあらゆる場所に、時を重ねてきた美しさと、現代的な居心地のよさが同居しています。

白壁と年季の入った木造の外観は、美観地区の街並みに溶け込みつつも、凛とした存在感を放っています。

玄関を入ると広がるのは、整えられた土間の空間。2箇所に炭火を焚く炉もあり、冷えた身体をほっと温めながら、しばし時の流れを忘れさせてくれる場所です。

左手の玄関スペースには、季節の飾りや掛け軸、そして「ちっくたっく」と音を刻む柱時計。長く大切にされてきた調度品に囲まれながら、ふっと気持ちがゆるむひとときでした。

階段の踊り場には、倉敷の歴史にまつわる書籍が並んでいます。まるで宿そのものが、この街の歴史を語る語り部のよう。
歴史の重みを感じさせながらも、部屋の水回りは最新式で床暖房も完備。滞在中は終始快適で、「ただ古いだけじゃない」——そんな宿のこだわりが伝わってきます。
江戸時代から続く庭を眺め、美食に満たされる
旅館くらしきでは、江戸時代から代々受け継がれてきた「陽前の庭」もまた、大きな魅力のひとつ。

この庭を眺めながらいただく夕食・朝食は、まさに特別なひとときでした。
料理の詳細は、以下の記事でたっぷり写真付きで紹介しています:
小さな離れ湯が生む、大きな満足感
旅館くらしきのもうひとつの楽しみ。それは、宿泊者だけが体験できる「離れ湯」の存在です。
お部屋に案内されたあと、希望すればすぐに離れ湯の予約も可能。敷地の奥、ほんの1〜2分の距離にある小さな湯処は、プライベート感たっぷりの癒やし空間でした。
浴室は、先代から受け継がれたという庵治石(あじいし)の浴槽と、木の香り漂うあたたかな内装。窓を開けると丁寧に整えられた坪庭が目の前に広がり、思わず長湯してしまう心地よさです。
脱衣所の冷蔵庫には、岡山のフルーツを使ったジュースが用意されており、入浴後の体に優しく染み渡るひとときも。また訪れるときは、この離れ湯の時間を最初の楽しみにしたい——そう思えるような、記憶に残るお風呂でした。
※写真はありませんが、離れ湯の様子は公式サイトでご覧いただけます。
観光地に泊まるからこそ深まる、街との対話
倉敷美観地区に宿泊する醍醐味は、歴史や文化とゆったり対話できること。
美食や備前焼、デニムなど多彩な魅力が詰まった美観地区。その背景には、岡山が誇る繊維産業の歴史があります。
そんな繊維の歩みを知るなら、倉敷アイビースクエア内にある「倉紡記念館」へ。

明治時代に創業された倉敷紡績(倉紡)が町の発展にどう貢献したかが紹介されています。

旅館くらしきの「ゆの間」が築かれた170年前、この地ではどんな変化が起きていたのか──展示資料から想像が膨らみます。

さらに、旅館で味わった地酒「しずく」を造る森田酒造とも出会えます。趣ある外観を眺めながら、実際に飲んだ地酒の背景を思い出せるのは、宿泊者ならではの体験です。
「見る・食べる・学ぶ」がつながることで、観光以上の深みある旅になる——それが宿泊の魅力です。
旅館くらしき宿泊前に知っておきたい注意点
旅館くらしきの駐車場は?混雑を避けるには事前の電話がおすすめ
旅館くらしきには宿泊者専用の駐車場がありますが、アクセスには少し注意が必要です。
というのも、宿は美観地区のど真ん中。チェックインが始まる15時前後は観光客で混雑し、車での進入が難しくなります。
実は【公式サイト】には、「到着が近づいたらお電話ください。駐車場のご案内をいたします」と記載があります。→ アクセス案内ページ
予約サイトでは見逃しやすいため、車で向かう場合は「あと20分ほどで着きそう」というタイミングで一度停車して連絡し、ナビを調整するのがおすすめです。
築170年の「ゆの間」から、美観地区の時間の流れを眺める滞在
旅館くらしきの客室「ゆの間」は、築170年以上の元砂糖問屋の建物を丁寧にリノベーションした、風情ある特別室。
館内に足を踏み入れると、白壁と木のぬくもりに包まれた空間が広がり、まるで時を巻き戻したような感覚になります。

2階に位置するこの部屋は、倉敷川にかかる「中橋」を正面に望む絶好のロケーション。
昼は観光客で賑わい、夕暮れにはあたたかな光に包まれ、夜は静寂に満ちる──そんな美観地区の移ろいを、部屋にいながら楽しめる贅沢な空間です。
水回りの快適さに驚く、丁寧なリノベーション
築170年以上という歴史からは想像できないほど、水回りは清潔感と機能性に優れています。

洗面スペースには風呂敷で包まれたアメニティや竹籠など、和の演出がちりばめられ、旅情を引き立てます。


なかでも印象的だったのが、高野槙(こうやまき)の浴槽。
古くから関西では「槙風呂(まきぶろ)」が風呂の代名詞とされるほど、木風呂に最も適した素材とされてきた木材です。
湯を張るとふわりと広がる芳香と、なめらかな木肌の感触が心地よいです。

窓の外には「陽前の庭」が広がり、手入れの行き届いた庭の緑を眺めながらの朝風呂は、まさに至福。さらに、冬でも快適に入浴できるよう、床暖房が備わっているのも嬉しいポイントです。
美観地区を眺めながら過ごす、畳のくつろぎ空間
「ゆの間」は10.5帖(約33㎡)のこじんまりとした和室。
部屋に一歩入ると、太い梁の陰影や畳の香りが五感を刺激し、静かな時間の流れに身を委ねたくなります。

就寝にはベッドではなく、お布団(幅120cm×長さ195cm)を使用。
夕食から戻ると、ふかふかのお布団がすでに敷かれており、そのままごろんと横になるのも気持ちの良い贅沢。
小さなお子さま連れの方にとっては、ベッドから落ちる心配がないのも安心材料になりそうです。

そして何より特筆すべきは、窓からの眺め。

障子を開けると、そこには美観地区の象徴「中橋」と倉敷川が広がり、日々の喧騒を忘れさせてくれる景色が待っています。

朝は通学する学生たち、昼は観光客の賑わい、夜は静寂の中に灯る街灯──。
時間とともに表情を変える倉敷の街並みを、部屋にいながら感じられるのは、「ゆの間」に宿泊するからこその特権です。
お得に宿泊する方法
旅館くらしきのような高級宿は、どうしても価格がネックになることがあります。
ですが、予約前にキャンペーンやクーポンを確認することで、実はかなりお得に泊まれることも。
たとえば楽天トラベルでは、「毎月5と0の付く日」に最大20%OFFクーポンが配布されるキャンペーンを実施しています。
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他にも、Yahoo!トラベルや一休.com など、各サイトが期間限定のセールやポイント還元を行っていることがあるので、予約前にぜひチェックしてみてください。
賢く予約を工夫することで、普段は手が届きにくい憧れの宿にも、ぐっと気軽に宿泊できるかもしれません。
まとめ|非日常に浸れる「旅館くらしき」は、記憶に残る滞在になる
倉敷美観地区の中心に佇む旅館くらしきは、ただ泊まるだけではない、深く心に残る時間を過ごせる宿でした。
築170年以上の歴史ある建物でありながら、現代的な快適さも備わっており、美食・景色・文化を「暮らすように味わう」体験が、ここにはあります。
記念日やご褒美旅、大切な人との特別な時間にもぴったりな旅館なので、ぜひ一度、あなたもその魅力を実際に感じてみてください。
空室状況と宿泊プランを確認するにはこちら:
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