倉敷美観地区の中心にたたずむ、老舗の高級宿「旅館くらしき」。
格式ある空間と行き届いたおもてなしも魅力ですが、ここに泊まるなら何より体験してほしいのが夕朝食の素晴らしさです。
本記事では、実際に旅館くらしきでいただいた懐石スタイルの夕食、別腹のお夜食と、体に優しい和の朝食を写真付きで詳しくご紹介。
- 老舗旅館で美味しい夕食・朝食を楽しみたい方
- 食事が決め手になる宿を探している方
これから旅館くらしきに泊まる予定の方、予約を検討中の方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
旅館くらしきの夕食は?【季節を味わう懐石料理のひととき】
チェックイン後の楽しみは、なんといっても夕食!落ち着いた和の空間でいただくのは、季節感あふれる地元食材のフルコースです。

「寒梅時候」の名が添えられた如月 (2月) の献立は、寒さの中に春の気配を感じる繊細な構成でした。
一皿ごとに料理人の技と遊び心が込められ、見た目も味もじんわりと記憶に残る内容です。
前菜・椀物・お造りで始まる季節のコース
最初は小鉢が並ぶ華やかな前菜。

中でも印象的だったのは高知県の珍味「のれそれ(穴子の稚魚)」の木の芽酢。ツルツルした喉ごしに爽やかな酸味が効いて、運転疲れがふっと和らぎました。
次に登場したお椀物は、海老のすり身を使った「海老安平」。

はんぺんのようなフワフワの海老団子とあたたかく優しい出汁が、冷えた身体をじんわりと温めてくれます。
お造りは、石垣鯛・大鯵・細魚 (サヨリ) と瀬戸内の鮮魚が勢揃い。

倉敷市の森田酒造の地酒「萬年雪」も注文。

すっきり辛口のお酒が魚の旨みを引き立て、つい飲みすぎてしまいました。
焼物・蓋物・温物で深まる季節の味わい
懐石の中盤は、香ばしさと旨みが際立つ構成に。温かさ、香り、食感、それぞれに変化があり、ゆったりと食事に集中できる時間が続きます。
蓋物は、枡大根にあん肝・瀬戸鯛・福豆餡などが重なり、味も食感も複雑。

じんわり味が染みた大根とあん肝が日本酒にもよく合いました。
焼物は、真名鰹に香り高いネギと蕎麦味噌を添えて。

渋さのある組み合わせに、思わず日本酒を追加注文。

地元倉敷から森田酒造のプレミアムな「しずく」を開栓です。大吟醸を絞らずに1滴1滴落として取れる貴重なお酒をいただきました。
温物は、下津井の若芽と菜の花、そして県産和牛ロースのしゃぶしゃぶ。



歯応えのあるワカメと春を感じる菜花のあとにいただく牛肉の深い旨みが、食事の満足度をぐっと高めてくれました。
牡蠣ごはんと水菓子で幸せなシメ
コースの締めくくりは、旨みで満たされ、さっぱりと整う構成。
まず登場したのは、牡蠣の旨みがしっかり染み込んだ土鍋ごはん。ふたを開けた瞬間の香りと、美しい見た目だけでもう満足感たっぷりです。

お腹はすでにいっぱいでしたが、不思議とお茶碗一杯ぺろり。食べきれなかった分は、おにぎりにして持ち帰らせてくださる心配りも嬉しいポイントでした。
最後は、水菓子とほうじ茶でさっぱりと。


金柑アイス、林檎、苺の組み合わせは、満腹の体にちょうどいい甘さで、締めにぴったり。
私たちは夜にチェックインしましたが、できれば15時頃に到着して、倉敷美観地区をのんびり散歩しながらお腹を空かせておくのがおすすめです。写真の通りボリュームが多いので。
旅館くらしきのお夜食は?【お腹いっぱいでも別腹だった わらび餅】
夕食を終えて部屋に戻ると、上質な器がそっと置かれていました。

蓋を開けると現れたのは艶やかなわらび餅。

正直、もう何も食べられない…と思っていたけれど、柔らかくて甘さも控えめ。気づけばぺろりと完食。重たさはなく、食後のひとときにちょうどいい甘味でした。
旅館くらしきの朝食は?【優しい味わいで整う和の朝ごはん】
眠い目を擦りながら朝食会場に向かうと、夕食時とはまた違った表情の庭が出迎えてくれます。

土鍋ご飯と豊富なおかずを楽しむ
スタッフの方と軽く挨拶を交わし、席に着くとまず提供されたのは、小鉢やお惣菜の盛り合わせ。

どれもご飯が欲しくなる味わいばかり。
そこへ、いよいよ主役の土鍋ごはん、焼き魚、白味噌仕立ての味噌汁が登場します。

さらに、丁寧に焼き上げられただし巻き玉子も運ばれてきて、思わず顔がほころびます。

「これぞ日本の朝食!」と思えるような満足感に包まれて、心もお腹も満たされました。
朝食を終えると、場所を移して趣のあるダイニングルームへと案内されます。
食後の水菓子とお茶でほっこり
ダイニングルームは、歴史を感じる石造りの落ち着いた空間。

私たちは窓際の席に案内されました。
ふと外に目をやるとテラス席もありましたが、さすがに冬は寒く断念しました。春先から初夏にかけては気持ちよく過ごせそうです。

ほどなくして、水菓子と抹茶が運ばれてきました。


新鮮な果物で口の中をさっぱりと整え、のんびりと会話を楽しみながら飲む抹茶は、朝の締めくくりにぴったりでした。
江戸時代から続く庭の散歩で腹ごなし
これだけ魅力的な庭を見せられると、やっぱり歩いてみたくなるもの。ダイニングルームの奥からそのまま庭に出ることができます。

ここは「陽前の庭」と呼ばれる、江戸時代から代々引き継がれてきた歴史ある庭園。
松の木を中心に、四季折々の草花が静かに咲き誇ります。
腹ごなしにゆっくりと散歩をしながら、旅館くらしきの朝の余韻にひたる時間は、なんとも贅沢でした。
まとめ
倉敷の美観地区という歴史情緒あふれる街の中でいただく、季節感に満ちた懐石料理。
江戸時代から続く建物や庭のある「旅館くらしき」の夕朝食は、味わいはもちろん、そこで過す体験そのものも特別な思い出です。
宿選びの基準に「食事の質」を重視する方にとって、期待以上の体験になるはずです。
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